「再就職先を見つけたので、就労ビザの代行手続きをお願い

できますか?」。

 行政書士試験 資格 受験を控えた僕は、行政書士事務所を構える

田中先輩を訪ねた。凄腕を持つ田中先輩は、毎日多忙だと聞いていたから

事務所が開く30分前に来たんだけれど、働き盛りの先輩だ。俺も、

先輩を目指すぞと早くも武者震い(笑)。

 「初めまして。中国出身の劉と申します。田中先生には、転職の就労ビザ

代行手続きを依頼に参りました」。と、穏やかな笑顔で挨拶をして

くれた。

「申し遅れました。僕は、田中先輩の大学時代の後輩で加藤と申します。

日本は長いんですね」。と、親しみをこめて挨拶をした。

 彼は、留学ビザで日本の大学に4年間大学院2年間と学んだらしい。

就労ビザで就職した矢先に、会社が倒産したらしく、ビザの残存1年以内に

転職先を見つけて改めて就労ビザを取得しなければ、不法入国者になってし

まうし、さらには、この一年間のうちに、例えば、一回目に取得した就

労ビザ記載の技術系以外でアルバイトなどをしてしまうと規定外であると

法律に反してしまうので絶対にしてはならないということを田中先輩に言わ

れて早8ヶ月。田中先輩としては、音沙汰がなかったから、中国に帰国して

しまったのかと思っていたら、再就職先を見つけて、朝一番に電話があった

から彼の真摯さに心を打たれてたんだよと狂喜していた。先輩の喜び方は

心に打たれた。これだ、と思った。


 行政書士の仕事は、地味だがグローバルな仕事であることを目の前で

感じた。手に取れた気がした。

 「こいつも、行政書士になるんだ」。って、改めて僕を紹介してくれた

先輩。

「頑張ってください。僕も、日本で頑張りますよ」。と、彼の笑顔清清し

い。